Death_to_stock_photography_weekend_work (9 of 10)

去る6月末で派遣社員生活にひと区切りつけました。
期間としては2年半ぽっきりだけど、派遣で働いた正直な思いを記憶が新鮮なうちに書いておきたいと思う。

なぜ派遣社員?
大学院を修了した2009年、東京での生活を経て9年ぶりに地元大阪に戻ってきた私。学問にどっぷり浸かった後ということもあり「とにかく働きたい!」と思っていたのだけど、協力隊に行ったり大学院に行ったりしてるうちに日本の企業で働くということに6年のブランクができてしまっていたので、自分が再び日本企業で通用する仕事ができるのか?という漠とした不安があり、あえて身軽な派遣社員として、企業での仕事をリハビリ的に様子見したいと思った。

派遣=社員になれない人、身分が不安定、待遇が十分でないなどの見方も強いですが、私個人としては派遣という働き方を「選んだ」つもりでした。とある人材会社の人が言っていた「派遣社員は3ヶ月ごとに今の仕事とお見合いできるとも言える(=嘘ついてお付き合いつづける必要はない)」という言葉も気に入ってた。  

派遣社員としての仕事
そして、IT&英語というキーワードでお声が掛かった家電メーカー本社で働き始めた。

業務内容はヨーロッパ拠点のWANネットワーク構築プロジェクト。付け焼き刃のネットワーク知識での英語コレポン業務ということで学ぶことも多い日々だった。日に日に企業で働く感覚を取り戻し、チームで仕事する達成感、海外ローカルスタッフが寄せてくれる信頼などやりがいを感じられる場面も多く、派遣でもこんなしっかりした仕事ができるのかと当初はとても満足していた。

プロジェクト山場や特別な作業日を除けば定時で退社できる仕事だったのでワークライフバランス的にも申し分なく、待遇も派遣としてはかなり良い方だった。3ヶ月毎に聞かれる「契約更新しますか?」にも、迷いなく、むしろお願いしますという思いでハイ!と答えていた。仕事を超えて職場の飲み友達もでき、サラリーマン的飲みを大いに楽しんだ時期もあった。

派遣への違和感
でも、業務に慣れるにつれ派遣社員というポジションに限界を感じる場面が増えてきた。最終的な意思決定はできず、業務改善提案なども求められてないんだなと。プロジェクトの全体像や今後の計画もギリギリまで示してもらえない、あくまで担当者の域を出ないのだと
いうことをひしひしと。それをラクでよいと思う人もいるのかもしれないけど、私は否でした。

人に会って「何やってるの?」って聞かれても、二言目には「でも派遣なんですけどね。」って言い訳っぽい言い方をしてる自分がいて。ある人にそれを突っ込まれた時はドキッとした。いつまでこんな言い方続けるんだろーって、、時給で働いていることへの違和感もだんだんだんだんと大きくなり。

そんな思いもあって今年のゴールデンウィーク(10連休!)はあえて旅に出ず、今後のことについてゆっくり考える時間にあてた。そしてよくよく考えた結果、もう契約更新はしないでおこうという結論に至った。近しい友に話したりもしたけど、最後は自分ひとりで決めるしかないのよね。ひとり時間、大事です!
 
かと言って転職するというのもちょっと違うなと。

そもそも私はベリーズで暮らして得た価値観のひとつに「フリーランスとして働きたい」という思いがあった。企業ブランドなんて全く通用しない彼の国ベリーズでは、スキルやアイデアをもっていれば個人で柔軟に働き方を選べ、仕事を自分でつくる様を見ることが多く、そういうスタイルもありか!と思ってたから)自分がそんな心境だったからか、これからの時代どこの組織に属するかよりも個として働いていくことが大事だ!と発信されている安藤美冬さんや本田直之さん高城剛さんの考えがことさら響き、眠っていた思いが目覚めるようだった。

 
毎日決められた時間に会社に行くこと、毎朝朝礼があること、決められた時間内でランチしなきゃいけないこと、快適性に欠けるオフィスで長時間過ごさなきゃならないこと、世間と同じタイミングでしか大型休暇がとれないこと、、、etc. 勤め人なら当たり前と思っていたこともまず疑ってかかる、そうじゃない働き方もこの時代やりようによっては可能なのだと。

・・・というような思いから、いざテイクアクションしたわけです(無理にお付き合い続ける必要はないのだからね、派遣は!)

2年半続いたのだから決して居心地が悪い職場ではなかったけど、自分の人生をもっともっと楽しむための大きなワンステップです。不安は多いにあります。だけどせっかく自分で決めたこと。今後はフリーランスとして翻訳を軸にしながらワクワクする仕事にたくさん関わっていきたいと思う。ここでもよい近況報告ができるように。 

「 そもそも一生安心できるポジションなんてない。最大の安心は自分が世の中に価値を生み出せる人間であることだと思う。」これ、誰の言葉だったか忘れたけど心強いことばですよね。